犯罪歴のある人の幼少期の食事について統計データを用いた解説

犯罪歴を持つ人々の幼少期の生活環境には、さまざまな要因が影響していますが、特に食事の質と行動問題の関係性に注目が集まっています。

近年の研究では、栄養バランスが欠けた食事が子どもの脳の発達や行動に悪影響を与え、結果として非行や犯罪行動につながる可能性が示唆されています。

本記事では、犯罪歴のある人々の幼少期の食事に関する統計データをもとに、食事がどのように行動や犯罪に影響を与えるのかを解説します。

 

1. 栄養不足と行動問題の関連性

多くの研究により、栄養不足が子どもの行動問題に影響を与えるというデータが示されています。

特に、犯罪歴のある人々の幼少期の食事において、栄養バランスの欠如や不健康な食事が一般的であることが確認されています。

 

  • アメリカの調査では、非行や暴力行動を起こす青少年のうち、幼少期に栄養不足やジャンクフードを過度に摂取していた割合が高いことが明らかにされました。特に、鉄や亜鉛、ビタミンB群といった脳の発達に必要な栄養素が不足していたケースが多く見られています。

亜鉛:牡蠣、あわび、するめ、牛肉、卵、チーズ、高野豆腐、 納豆 などに多く含まれます。

亜鉛は肉や魚介、大豆製品など、たんぱく質を含むものに多く含まれています。

また、ピュアココアやカシューナッツ、がんもどきなど、植物性の食品にも多く含まれています。

加工食品を避け、なるべく生鮮食品から摂取するように心がけてください。

亜鉛を効率よく摂取するには、動物性タンパク質、クエン酸、ビタミンCなどの栄養素と一緒に摂取すると良いです。

また、亜鉛は水に溶けやすいため、汁ものやスープにするのもおすすめです。

鉄:一般的にレバーやほうれん草などが鉄分が多いと言われていますが、豚や鳥、牛などのレバーはホルモン剤などが蓄積しており仮に鉄分が摂れたとしても、別の要素によるリスクが大きくなるのであまりオススメではありません。

ほうれん草も、一般的にスーパーで売られているものは慣行栽培のものが多く、土壌から鉄をたっぷり吸い上げた食材ではなくなってしまっています。

筆者のオススメは、出汁をとるときに「いりこ」を使用する、またご飯を炊くときに「鉄玊」を使用したり、鉄のフライパンなどを使用することです。

そこから鉄分を日常的に摂取できるので効率が良いと思います。

ビタミンB群:肉類や魚類、穀類、ナッツ類から摂取できます。白米を玄米に変える、など日常にとり入れる方法がありますが、玄米はなかなか馴染みがない場合は「ご飯を食べるときに納豆をつける」などでも補えるのでオススメです。

 

  • イギリスの研究でも、栄養不足の子どもは攻撃的な行動を取る傾向が強く、学校や社会で問題行動を起こす確率が高いとされています。犯罪歴のある成人の幼少期における栄養状態を調査した結果、特に貧しい家庭や食の選択肢が限られている環境で育ったケースが多いことが示唆されました。

 

2. ジャンクフードの影響

犯罪歴のある人の幼少期には、栄養価の低いジャンクフードや加工食品が食事の中心となっているケースが少なくありません。

これらの食品は、糖分や塩分、飽和脂肪が多く含まれ、脳の正常な発達を妨げる可能性があります。

 

  • オーストラリアの調査では、砂糖やトランス脂肪酸を多く含む食事を摂取している子どもたちは、集中力が低下し、感情のコントロールが難しくなるという結果が出ています。これにより、衝動的な行動や攻撃的な傾向が強まり、犯罪行動に至るリスクが増大します。
  • アメリカの研究によると、ジャンクフードの摂取量が多い子どもは、学業成績が低く、学校でのトラブルが多いことが示されています。これが結果として学校からの孤立や非行行動を引き起こす要因の一つとなっているとされています。

 

3. オメガ3脂肪酸と行動抑制

一方で、オメガ3脂肪酸の摂取が行動の抑制や精神的な安定に寄与するという研究結果もあります。

オメガ3脂肪酸は、魚やナッツに多く含まれる栄養素で、脳の健康維持に重要な役割を果たします。

 

  • オランダの研究によれば、犯罪歴を持つ成人のうち、幼少期にオメガ3脂肪酸を十分に摂取していた人は、攻撃的な行動や非行を示す可能性が低かったことが確認されています。この栄養素が脳の発達を助け、感情のコントロールや自己抑制に寄与することが示されています。
  • イギリスの別の研究でも、犯罪歴のある成人を対象に、オメガ3脂肪酸の摂取量と犯罪傾向の関係が調査され、摂取量が多いほど問題行動が少ないという傾向が確認されています。

オメガ3脂肪酸を含む食材

魚介類:サバ、イワシ、サンマ、マグロ、カニ、ムール貝、カキなど

植物油:えごま油、アマニ油、なたね油など

種実類:えごま、亜麻仁、チアシード、くるみなど

オメガ3脂肪酸は熱に弱いという特徴があるため、お魚の場合は生で油は非加熱、ナッツも加熱せずに食べると摂取率が上がります。

 

4. 食育と親の影響

犯罪歴のある人の幼少期には、家庭環境や親の影響が大きく、食育が不足していることも一因とされています。

栄養バランスの取れた食事を提供することが難しい家庭では、子どもの食生活が不規則で偏りがちになります。

 

  • 日本の調査では、貧困家庭で育った子どもは、食事が十分でないために栄養不足に陥り、成長や発達に悪影響が出ることが確認されています。栄養不足は、感情の不安定さや集中力の欠如、さらには攻撃的な行動につながることがあります。
  • アメリカの研究でも、食育が不足している家庭では、子どもが自己管理能力を養うことが難しく、これが結果として非行や犯罪行動につながる可能性があるとされています。

単純に「栄養素」だけの問題ではなく、食事を十分に与えられていないという「不満足感」から

人を攻撃するようになったり、多動になったり、イライラしやすくなったりするのは想像しやすいですね。

 

結論

犯罪歴のある人々の幼少期の食事は、栄養不足やジャンクフードの過剰摂取など、脳や身体の正常な発達を妨げる要因が多く含まれています。

特に、鉄やビタミンB群、オメガ3脂肪酸などの不足が、行動や感情のコントロールに影響を与え、衝動的な行動や非行に結びつく可能性が高いことが示唆されています。

 

一方で、栄養バランスの取れた食事や食育が、子どもの精神的な安定や自己管理能力の向上に寄与し、将来的な犯罪行動の予防に役立つとされています。

食生活の改善と食育の推進は、子どもの健全な発達と犯罪防止において、非常に重要な役割を果たすといえるでしょう。

ライター

管理栄養士 Ayako

グラノーラ専門レシピ研究家/管理栄養士 無添加・オーガニックにこだわったグラノーラの開発と普及を目指す、グラノーラ専門のレシピ研究家。管理栄養士としての知識と経験を活かし、健康志向の高いオリジナルのグラノーラを開発。現在は、オーガニックグラノーラを使用した多彩なレシピの開発に情熱を注いでおり、健康的でおいしい食生活を提案。グラノーラを通じた新しいライフスタイルの推進に貢献。
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