「無添加」グラノーラが人気の理由:自然派志向のトレンドと表示の見方

「無添加」グラノーラが注目されている背景には、原材料を見て食品を選びたいという自然派志向の広がりや、味と種類の充実、SNSでの情報発信があります。
ただし「無添加」は、何を加えていないかが商品ごとに違う言葉です。「無添加だから体に良い」という意味ではありません。
この記事では、人気の理由とあわせて、表示を正しく読むためのポイントを紹介します。
「無添加」グラノーラはなぜ人気なの?
1. 原材料を見て選ぶ「自然派志向」が広がった

食品を選ぶときに、パッケージの原材料表示を確かめる人が増えているように感じます。
オーガニック食品を扱う売り場を見かける機会も増え、特別に自然派志向というわけではない人にとっても、身近な選択肢になってきました。
「無添加」グラノーラは、「何が入っているのかを知ったうえで選びたい」という気持ちに応える商品のひとつです。
2. 「何を食べるか」を選べる時代になった

戦中・戦後のように、食べ物を手に入れること自体が難しかった時代には、まずエネルギーをとることが何より大切でした。
今は食べるものが豊富にある「飽食の時代」です。食品の選択肢も大きく広がりました。
「ただ何でも食べる」から「何を食べるか」を選ぶ時代へ。
原材料や品質を見比べて、自分や家族が納得できるものを選ぶ。そんな食生活を楽しむ人が増えているのだと思います。
3. 味と食感へのこだわりが増えた

かつてのグラノーラには「健康食品」のイメージがありました。
最近は、ナッツやドライフルーツの組み合わせ、焼き加減などにこだわり、おいしさを追求した商品がたくさん登場しています。
4. 種類が豊富で選ぶ楽しさがある

甘さ控えめのものから、フルーツやチョコレートを加えたものまで、ラインナップはさまざまです。
私が子どもの頃は、穀物に砂糖をまぶしたシリアルに牛乳をかけて食べるのが定番という印象でした。
今はスーパーのシリアル棚を見ているだけでワクワクするほど品ぞろえが豊かです。「たんぱく質を加えたもの」「フルーツたっぷり」など好みに合わせた商品や、海外からの輸入品もよく見かけるようになりました。
5. SNSで手作りグラノーラが広まった

SNSや動画サイトでは、国内外の発信者が手作りグラノーラや朝食のアレンジを紹介する投稿をよく見かけます。
アメリカやヨーロッパで親しまれてきたグラノーラの楽しみ方が、SNSを通じて日本にも広がってきたのでしょう。
「無添加」の表示はどう変わったの?

「日本の健康情報は10年遅れている」という声を耳にすることがありますが、何年遅れかを測れる公的な指標はありません。いま日本で確かに進んでいるのは、「無添加」表示をより正確に、分かりやすくする見直しです。
消費者庁は2022年(令和4年)3月30日に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を定め、誤解を招きやすい表示を10の類型に整理しました。規制がゆるくなったのではなく、消費者に正しく伝わる表示にするためのもので、事業者には2024年3月末までに表示を見直すことが求められました。「無添加」表示を一律に禁止するものではなく、何を使っていないのかを正確に伝えることが求められています。
主な類型の例は次のとおりです。
| 類型 | どんな表示か |
|---|---|
| 単なる「無添加」 | 何を加えていないのかが分からない表示 |
| 健康・安全と関連付ける表示 | 「無添加だから安全」「体に良い」など |
| 同じ働きの添加物・原材料を使った食品への表示 | 似た働きのものを使っているのに「〇〇不使用」とする |
| 法令で使用が認められていない食品への表示 | もともと使えない添加物の「不使用」をうたう |
| 過度に強調する表示 | 容器のあちこちに、一括表示欄より目立つ文字で「不使用」を強調する |
消費者庁は、どんな添加物が使われているかを知りたいときは、パッケージの一括表示欄にある添加物表示をよく確認するよう呼びかけています。
食品添加物の安全性はどう確認されているの?
厚生労働省によると、日本で使える食品添加物は、原則として厚生労働大臣が指定したものだけです。
- 食品安全委員会が科学的なデータをもとに安全性を評価する
- 健康への悪影響がないとされる量(一日摂取許容量:ADI)が、添加物ごとに設定される
- 食品ごとに使用量などの基準が定められる
- 実際の摂取量の調査では、ADIを大きく下回っているとされる
このように、人の健康を損なうおそれのない場合に限り、成分の規格や使用の基準を定めて使用が認められています。国の基準の範囲で使われている添加物を、むやみに怖がる必要はありません。そのうえで「できるだけシンプルな原材料のものを選びたい」と考えるのは、それぞれの好みとして自然なことです。
食品を選ぶときは、どこを見ればいいの?

添加物を使っているかどうかだけで、食品の良し悪しが決まるわけではありません。気になるときは、パッケージ表面の言葉より、裏面の一括表示欄を確かめるのが確実です。
一括表示欄の「原材料名」を確認する
原則として、使われた添加物は物質名で表示されます。保存料や甘味料など、用途もあわせて書かれるものもあります。
「〇〇不使用」は、何が不使用かを読む
「保存料不使用」と書かれていれば、それは保存料についての情報です。ほかの添加物が使われているかどうかは、一括表示欄で確かめましょう。
「有機」「オーガニック」とは違うの?
「無添加」と「有機(オーガニック)」は、それぞれ別のルールに基づく表示です。
農林水産省によると、有機JASマークは、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として、自然界の力で生産された食品を表しています。有機JASマークがない農産物・畜産物・加工食品に「有機」「オーガニック」などと表示することは、法律で禁止されています。オーガニックを選びたいときの分かりやすい目印です。
なお、オーガニックの広がりと食品添加物の安全性は、別々に考える必要があります。「オーガニックが少ない=日本の食品は危ない」ということではありません。
2960グラノーラの原材料
参考までに、2960グラノーラの原材料をご紹介します。
- 有機オートミール
- 有機アーモンド、有機くるみ、有機マカダミアナッツ、有機カシューナッツ
- ヨーロッパ産蜂蜜
- 有機ココナッツオイル
- 京都産有機玄米
- 有機かぼちゃの種
- 有機クランベリー、有機クコの実
- 酸化防止剤(ローズマリー抽出物、VE)
甘みは主に蜂蜜でつけています。玄米ポンには北海道産てんさい糖を使っています。また、酸化を防ぐために酸化防止剤としてローズマリー抽出物とビタミンEを使っています。そのため、2960グラノーラは「無添加」の商品ではありません。気になる方は、商品ページの原材料表示をご覧ください。
まとめ

「無添加」グラノーラが人気を集める背景には、次のような理由があります。
- 原材料を見て選ぶ自然派志向の広がり
- 「何を食べるか」を選べる時代への変化
- 味と食感へのこだわり、種類の豊富さ
- SNSでの手作りグラノーラの広まり
一方で「無添加」は、何を加えていないかが商品ごとに異なる表示です。
- 2022年の消費者庁ガイドラインで、「無添加」表示は分かりやすく見直されました
- 日本の食品添加物は、国の安全性評価と使用基準のもとで使われています
- オーガニックを選ぶときは、有機JASマークを目安にしましょう
言葉の印象だけで選ばず、一括表示欄の原材料名と添加物を見て、自分の好みや食生活に合うグラノーラを見つけてみてくださいね。
参考
- 消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(令和4年3月30日):https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220330_25.pdf
- 消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」消費者向けリーフレット:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/food_additive/assets/food_labeling_cms204_221122_02.pdf
- 厚生労働省「食品添加物」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
- 厚生労働省「食品添加物 よくある質問(消費者向け)」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/qa_shohisya.html
- 農林水産省「有機食品の検査認証制度」:https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html





