食事と学力の関係性について統計データを用いた解説

子どもの学力には、勉強の方法や環境だけでなく、睡眠や食事などの生活習慣も関係していると考えられています。
この記事では、朝食と学力調査の結果について公的な統計や研究を紹介しながら、データを読むときの注意点と、毎日の食事で意識したいことを解説します。
1. 朝食と学力調査の結果

日本の調査
農林水産省の食育白書では、文部科学省「全国学力・学習状況調査」(2024年度)の結果をもとに、朝食の摂取と平均正答率の関係が紹介されています。
| 小学生 | 国語の平均正答率 | 算数の平均正答率 |
|---|---|---|
| 朝食を毎日食べる | 69.5% | 65.5% |
| 朝食を食べない | 55.2% | 49.8% |
イギリスの研究
イギリス・ウェールズの9〜11歳の子ども約5,000人を対象にしたカーディフ大学の研究(Public Health Nutrition、2016年)では、朝食を食べていた子どもは、食べていなかった子どもに比べて、6〜18か月後の教師による評価で平均以上の成績をとるオッズが最大で約2倍だったと報告されています。
データを読むときの注意
これらは「朝食を食べる子どもほど成績が良い傾向がある」という関連を示したもので、「朝食を食べれば成績が上がる」という因果関係を示したものではありません。睡眠や生活リズム、家庭環境なども関係していると考えられます。
2. 子どもの食事で意識したい栄養
特定の栄養素や食品だけで学力が上がることはありません。成長期の子どもに必要な栄養を、毎日の食事から幅広くとることが基本です。
たんぱく質
肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などに含まれます。朝食では、卵料理や納豆、ヨーグルトなどが取り入れやすい食品です。
鉄
成長期や思春期には、鉄が不足しやすいといわれています。肉や魚、大豆製品、青菜などを、毎日の食事に組み合わせましょう。
ビタミンB群
ビタミンB1は、豚肉や玄米などに含まれます。主食を白米だけでなく、分づき米や雑穀を混ぜたごはんにするのもひとつの方法です。

3. バランスのよい朝食の例

朝食は、主食・主菜・副菜をそろえることを意識すると、栄養のバランスがとりやすくなります。
- 和食の例:分づき米のごはん、焼き魚、豆腐とわかめのみそ汁、おひたし
- 洋食の例:全粒粉パン、目玉焼き、サラダ、果物
- 時間がない日の例:グラノーラ、牛乳やヨーグルト、果物
4. 朝食を続けるための工夫
- 毎日だいたい同じ時間に起きて、朝食の時間をつくる
- 前日の夜に、ごはんやパン、果物などを準備しておく
- 食べられる量が少ない日は、牛乳やヨーグルト、果物など一品からでもよい
- 甘いお菓子や菓子パンだけで済ませる日が続かないようにする
結論
朝食を毎日食べる子どもほど、学力調査の正答率が高い傾向が報告されています。特定の食品に頼るのではなく、生活リズムを整え、主食・主菜・副菜をそろえた食事を続けることを大切にしましょう。
参考
- 農林水産省「家庭における食育の推進」(令和6年度 食育白書):https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/wpaper/r06_minna/html/part4.html
- Littlecott HJ, et al. Association between breakfast consumption and educational outcomes in 9–11-year-old children. Public Health Nutrition. 2016;19(9):1575-1582:https://www.cambridge.org/core/journals/public-health-nutrition/article/association-between-breakfast-consumption-and-educational-outcomes-in-911yearold-children/8174B87D235C67D22C0913F66E1ED6B4
- 農林水産省「食事バランスガイド」:https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/





