睡眠と食事の関係性について統計データを用いた解説

睡眠と食事は、どちらも毎日の生活リズムをつくる大切な習慣です。
「寝不足の日はつい食べ過ぎてしまう」「夜遅くに食べるとなんとなく寝つきが悪い」と感じたことはありませんか?
この記事では、睡眠と食欲の関係を調べた研究データと、厚生労働省の睡眠ガイドが勧める食習慣を紹介します。
1. 睡眠時間と食欲に関わるホルモン

食欲には、「グレリン」と「レプチン」というホルモンが関わっています。
- グレリン:胃から分泌され、食欲に関わるホルモン
- レプチン:脂肪組織から分泌され、満腹感に関わるホルモン
アメリカ・ウィスコンシン州の住民約1,000人を対象にした研究(Taheri ら、2004年、PLoS Medicine)では、ふだんの睡眠時間が5時間の人は8時間の人に比べて、レプチンが約15.5%低く、グレリンが約14.9%高いと推計されました。
データを読むときの注意
この研究は、睡眠時間とホルモンの値の「関連」を調べた観察研究です。睡眠不足がホルモンの変化を引き起こすと証明したものではありませんが、睡眠と食欲が無関係ではないことを考えるきっかけになります。
2. 厚生労働省の睡眠ガイドが勧める食習慣
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(Good Sleepガイド)では、良い睡眠のために、次のような生活習慣が挙げられています。
- しっかり朝食をとる:朝食や運動で、眠りと目覚めのメリハリをつける
- 就寝直前の夕食や夜食を控える:就寝直前の夕食や夜食の習慣は、眠りを妨げるとされています
- 夕方以降のカフェインやお酒を控える:夕方以降のカフェイン、飲酒、喫煙は眠りの妨げになるとされています
- 6時間以上を目安に睡眠時間を確保する(成人の場合)

寝る前のコツ
夕食は寝る直前を避け、食べる時間をなるべく一定にしましょう。コーヒーや緑茶、エナジードリンクなどカフェインを含む飲み物は、夕方以降は控えめにするのがおすすめです。
3. 今日から見直せる食事のポイント
- 朝食を毎日、だいたい同じ時間にとる:起きる時間と朝食の時間をそろえると、生活リズムをつくりやすくなります。
- 夕食の時間を決める:仕事などで遅くなる日は、夕方に軽く食べておき、帰宅後は量を控えめにする方法もあります。
- 夜のカフェインとお酒に気をつける:寝る前の飲み物は、水や白湯、カフェインの入っていないお茶などを選びましょう。
- 寝不足の日の食べ過ぎに気をつける:睡眠が足りない日は食欲が増しやすいと感じる方もいます。間食は量を決めておくと安心です。

まとめ
- 睡眠時間が短い人ほど、食欲に関わるホルモンの値に差があったという研究があります
- 厚生労働省の睡眠ガイドでは、朝食をとること、就寝直前の夕食や夜食を控えること、夕方以降のカフェインやお酒を控えることが勧められています
- 特定の食品で睡眠が良くなるわけではありません。食べる時間と生活リズムを整えることから始めましょう
眠れない状態や日中の強い眠気が続く場合は、生活習慣の見直しだけで済ませず、医療機関に相談してください。
参考
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
- Taheri S, et al. Short Sleep Duration Is Associated with Reduced Leptin, Elevated Ghrelin, and Increased Body Mass Index. PLoS Medicine. 2004;1(3):e62:https://doi.org/10.1371/journal.pmed.0010062





