蜂蜜は身体に良い?管理栄養士が、栄養価に基づき解説

蜂蜜は、主にぶどう糖と果糖からなる「糖類」の食品で、100gあたり329kcalのエネルギー源です。ビタミンやミネラルはごく微量で、栄養面では「風味の豊かな甘味料のひとつ」と考えるのが正確です。砂糖と同じく摂りすぎには気をつけ、1歳未満の赤ちゃんには与えないようにしましょう。
古くから世界中で親しまれてきた蜂蜜。「身体に良さそう」というイメージがありますが、実際にはどんな栄養が含まれているのでしょうか。この記事では、公的なデータをもとに蜂蜜の栄養価と、上手な付き合い方をご紹介します。
蜂蜜の栄養価は?砂糖と比べてみると

文部科学省「日本食品標準成分表」の値で、蜂蜜と上白糖を比べてみます(いずれも可食部100gあたり)。
| 成分(100gあたり) | はちみつ | 上白糖 |
|---|---|---|
| エネルギー | 329kcal | 391kcal |
| 水分 | 17.6g | 0.7g |
| 炭水化物 | 81.9g | 99.3g |
| たんぱく質 | 0.3g | (0)g |
| カリウム | 65mg | 2mg |
| カルシウム | 4mg | 1mg |
| 鉄 | 0.2mg | Tr(微量) |
蜂蜜のほうがエネルギーが低いのは、約2割が水分だからです。糖類を中心とした食品であることは、砂糖と変わりません。目安として、蜂蜜10gでおよそ33kcalになります。
甘さの正体は?
国際的な食品規格(コーデックス規格)でも、蜂蜜は「主にぶどう糖と果糖からなるさまざまな糖類で構成される」と定義されています。蜂蜜ならではのまろやかな甘さや香りは、蜜源となる花によっても変わり、そこが楽しみのひとつです。
エネルギー源としての蜂蜜

糖質は、私たちの身体を動かすエネルギーのもとになる栄養素です。蜂蜜も砂糖と同じく、食事の中では「エネルギー源となる糖質」として考えましょう。
ビタミンやミネラルは豊富なの?

「蜂蜜はビタミンやミネラルが豊富」と紹介されることがありますが、成分表の値を見ると、そうとはいえません。
- ビタミンC:0mg
- ビタミンB2:0.01mg
- カリウム:65mg、カルシウム:4mg、鉄:0.2mg
砂糖よりわずかに多いミネラルはあるものの、一度に食べる量(数g〜十数g)で考えると、ビタミンやミネラルの供給源として期待できる量ではありません。これらの栄養素は、野菜・果物・豆・海藻・ナッツなど、さまざまな食品から摂ることが大切です。
蜂蜜なら砂糖より身体に良い?
蜂蜜は「天然だからいくら摂っても大丈夫」というものではありません。WHO(世界保健機関)は、蜂蜜に含まれる糖類を、砂糖などと同じ「遊離糖類(free sugars)」に含めています。そのうえで、遊離糖類の摂取を総エネルギー摂取量の10%未満に抑えること、さらに5%未満(成人で1日約25g、ティースプーン約6杯)に減らすとより望ましいことを推奨しています。
つまり、砂糖を蜂蜜に置き換えても、糖類を摂っていることに変わりはありません。風味の好みで選びつつ、量を意識することがポイントです。
血糖値や体重について気になることがある方、治療中の方は、自己判断で食品を選ぶのではなく、医師や管理栄養士にご相談ください。
「免疫」「抗菌」「美肌」「睡眠」の話はどう考える?

蜂蜜については、さまざまな健康・美容の効果が語られることがあります。蜂蜜の成分についての研究は行われていますが、ふだんの食事で蜂蜜を食べることで、病気の予防や症状の改善、美容の効果が得られるといえるものではありません。
蜂蜜は薬ではなく、あくまで食品です。体調の不安や症状があるときは、医療機関を受診しましょう。
1歳未満の赤ちゃんには与えないで

厚生労働省は、1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜や、蜂蜜入りの飲料・お菓子などの食品を与えないよう呼びかけています。蜂蜜にボツリヌス菌が混入していることがあり、腸内環境が整っていない乳児では「乳児ボツリヌス症」を起こすおそれがあるためです。
ボツリヌス菌は熱に強く、通常の加熱や調理では死なないとされています。蜂蜜を使ったパンやお菓子、グラノーラも同様に、1歳を過ぎてからにしましょう。2960グラノーラも蜂蜜を使っているため、1歳未満のお子さまには与えないでください。
蜂蜜を上手に楽しむコツ

- 量を決めて使う:「なんとなくたっぷり」ではなく、スプーンで量って使うと摂りすぎを防げます。
- 風味を活かす:蜂蜜は香りが豊かなので、少量でも満足感のある甘さになります。ヨーグルトやトーストに少しかけるだけでも十分です。
- お菓子作りにも:砂糖とは違うまろやかな甘さになるので、私は蜂蜜で味付けしたお菓子の風味が好きです。水分を含むので、レシピの分量は調整しましょう。
2960グラノーラは、甘みを主に蜂蜜(ヨーロッパ産)でつけています。なお、原材料の玄米ポンには北海道産てんさい糖が使われています。1食(約30g)あたりのエネルギーは132.5kcalです。食事全体のバランスの中で、量を目安に楽しんでください。
まとめ

- 蜂蜜は主にぶどう糖と果糖からなる糖類の食品で、100gあたり329kcal。
- 砂糖よりエネルギーが低いのは水分を含むためで、ビタミン・ミネラルはごく微量。
- WHOは蜂蜜の糖類も「遊離糖類」に含め、摂りすぎないよう推奨している。
- 病気の予防や美容の効果を期待する食品ではなく、気になる症状は医師に相談を。
- 1歳未満の赤ちゃんには、蜂蜜入りの食品も与えない。
蜂蜜は、香りと甘さで毎日の食事を少し楽しくしてくれる食材です。正しい知識を持って、量を決めて上手に付き合っていきましょう。
参考
- 文部科学省「食品成分データベース」はちみつ(食品番号03022):https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=3_03022_8
- 文部科学省「食品成分データベース」上白糖(食品番号03003):https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=3_03003_8
- 厚生労働省「ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000161461.html
- WHO「WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children」(2015年):https://www.who.int/news/item/04-03-2015-who-calls-on-countries-to-reduce-sugars-intake-among-adults-and-children
- FAO/WHO Codex Alimentarius「Codex Standard for Honey(CODEX STAN 12-1981)」:https://www.fao.org/4/w0076E/w0076e30.htm





