日本のオーガニックは遅れている?有機農業の現状と有機JASマークの見方

日本のオーガニック(有機)食品の市場は少しずつ広がっていますが、有機農業の取組面積は耕地面積の約0.9%(令和6年度)で、世界全体の約2%と比べるとまだ小さいのが現状です。
一方で国は、2050年までに耕地面積に占める有機農業の割合を25%に広げる目標を掲げています。オーガニックが「一部の人の特別なもの」から「日常の選択肢のひとつ」になる流れは、日本でも確かに進んでいます。
この記事では、農林水産省の資料をもとに、日本と世界の現状、有機JASマークの見方、知っておきたい注意点をまとめます。
日本のオーガニックは本当に「遅れている」の?

「日本は健康志向が高いのに、オーガニックへの取り組みは遅れている」と言われることがあります。数字で見ると、次のような状況です。
| 項目 | 日本 | 世界 |
|---|---|---|
| 有機農業の取組面積の割合 | 約0.9%(3.98万ha、令和6年度) | 約2%(2024年) |
| 有機食品の市場規模 | 約3,595億円(2025年推計) | 約1,449億ユーロ(2024年) |
| 市場規模の順位 | 世界13位・アジア2位(2022年) | ― |
取組面積の割合は欧州諸国で高い一方、アメリカや中国は1%に満たないとされています。ただしアメリカの有機食品の売上は8兆円を超え、世界最大の市場です。
つまり「遅れている」かどうかは、何を物差しにするかで見え方が変わります。日本は市場規模では世界でも上位にありつつ、畑や田んぼでの広がりはこれから、という段階だといえそうです。
筆者もオーガニックについて発信し始めたころは、「なんだか面倒な人たち」という目で見られた経験があります。言葉は知られてきたものの、中身まで知る機会はまだ多くないのかもしれません。
なぜ今「オーガニック時代」と言われるの?

国が有機農業の拡大を目標にしている
農林水産省は2021年に「みどりの食料システム戦略」を策定し、2050年までに耕地面積に占める有機農業の割合を25%に拡大する目標を示しました。日本の有機農業の取組面積も、この10年で大きく増えています。
市場が少しずつ大きくなっている
国内の有機食品の市場規模は、次のように推計されています。
- 2009年:約1,300億円
- 2017年:約1,850億円
- 2022年:約2,240億円
- 2025年:約3,595億円
2025年の調査では、「有機」などの言葉を知っている人のうち、週1回以上有機食品を利用する人は17.4%でした。
買える場所が身近になっている
同じ調査では、有機食品を自分で買っている人の8割強がスーパーで購入していました。筆者の住むエリアでも、自然食品店やオーガニックを扱うお店が増え、選ぶ楽しみが広がっていると感じます。
オーガニック食品の特徴は? 知っておきたい3つのポイント

1. 化学的に合成された農薬・肥料に頼らないことが基本
有機JASマークは、「農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品」であることを表すものです。
ただし、有機JASでも使用が認められている農薬があります。「オーガニック=農薬をまったく使っていない」とは限らない点は、知っておくと安心です。
2. 環境への負荷を減らす取り組みのひとつ
みどりの食料システム戦略では、化学農薬・化学肥料の使用量の低減とあわせて、有機農業の拡大が環境負荷を減らす取り組みとして位置づけられています。
3. 栄養価は「高い」とは言い切れない
「オーガニックは栄養価が高い」と聞くことがありますが、2012年に発表された系統的レビューでは、有機食品が一般の食品より栄養面で大きく優れているという強い根拠は見つからなかったと報告されています。
オーガニックを選ぶ理由は、栄養価の差よりも、作られ方や環境への考え方、味の好みなどで考えるのがよさそうです。
オーガニック食品はどう選べばいい?

- 有機JASマークを確認する:登録認証機関の検査で認証された事業者だけがマークを付けられます。マークのない農産物・畜産物・加工食品に「有機」「オーガニック」と表示することは、法律で禁止されています。
- 加工食品は原材料表示も見る:どの原料が有機なのかは、原材料名で確かめられます。
- 生産者や製造元の情報を見る:どこで、どのように作られたかがわかると、納得して選べます。
- よく食べるものから少しずつ:有機食品を買っている人が選んでいるのは、有機野菜(44.6%)、有機米(30.4%)、納豆、豆腐、みそなどが上位です。毎日口にするものから取り入れると続けやすくなります。
2960グラノーラの原材料について
2960グラノーラは、有機オートミール、有機アーモンドや有機くるみなどのナッツ類、京都産有機玄米、有機クランベリー、有機クコの実などを原材料に使っています。甘みは主にヨーロッパ産の蜂蜜で、酸化防止剤としてローズマリー抽出物とビタミンEを使用しています。原材料はすべて商品ページで確認できます。
まとめ

- 日本の有機農業の取組面積は耕地の約0.9%で、世界の約2%より小さい一方、有機食品の市場規模は世界13位です。
- 国は2050年までに有機農業の割合を25%に広げる目標を掲げ、市場も少しずつ拡大しています。
- 有機JASマークは作り方の基準を満たした証で、「農薬ゼロ」や「栄養価が高い」ことを示すものではありません。
- マークや原材料表示を確かめながら、よく食べるものから無理なく取り入れるのがおすすめです。
「至上主義」というほど構えなくても大丈夫です。作られ方を知って、自分や家族に合ったものを選ぶ。そんな選び方が、これからの日本で当たり前になっていくのではないでしょうか。
参考
- 農林水産省「有機JAS」 https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html
- 農林水産省「有機農業関連情報」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/index.html
- 農林水産省「有機農業をめぐる事情」(令和8年10月) https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/attach/pdf/index-188.pdf
- Smith-Spangler C, et al. Are organic foods safer or healthier than conventional alternatives?: a systematic review. Ann Intern Med. 2012. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22944875/





