食品添加物とアレルギーの関係性:知っておきたいリスクと対策

「食品添加物がアレルギーの原因になるのでは?」と心配される方は少なくありません。結論から言うと、食物アレルギーの原因(アレルゲン)の大部分は卵・牛乳・木の実などの食品に含まれるたんぱく質で、添加物が原因と確認されるケースはまれとされています。ただし、亜硫酸塩など一部の添加物で過敏な反応が出る人もいるため、表示の見方を知り、気になる症状は医師に相談することが大切です。
この記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療に代わるものではありません。
食物アレルギーはなぜ起こるの?

私たちの免疫は、本来は体を守るために働いてくれるしくみです。それが特定の食べ物に対して過敏に働き、かえって体につらい症状を起こしてしまうのが「食物アレルギー」です。
食品安全委員会の解説資料によると、食物アレルギーの主なポイントは次のとおりです。
- アレルゲンの大部分は、食品に含まれるたんぱく質
- 即時型の多くは、食べてから2時間以内に症状が出る
- 症状は、かゆみ・じんましんなどの皮膚症状が最も多く、せき・息苦しさ、下痢・嘔吐などが出ることも
- 複数の臓器に強い症状が出る「アナフィラキシー」は命に関わることがある
なお、乳糖不耐症のように、免疫が関わらない「アレルギーではない」不調もあります。自己判断で決めつけないことが大切です。
日本ではどんな食べ物が原因になりやすい?

消費者庁の全国実態調査(2023年)では、即時型食物アレルギーで医療機関を受診した人の7割以上が7歳未満の乳幼児でした。原因食物では鶏卵や牛乳などのほか、木の実類の割合が2008年の1.2%から2023年には24.6%に増えており、くるみは0.8%から15.2%に増えています。
食品添加物はアレルギーの原因になる?
添加物はどのように使用が認められているの?

食品添加物には保存料、着色料、甘味料、酸化防止剤などがあり、品質を保ったり、見た目や風味を整えたりする目的で使われています。
日本では、食品安全委員会が安全性を評価し、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や使用基準を定めたうえで使用が認められています(2024年4月からは、この食品衛生基準の行政は厚生労働省から消費者庁に移管されています)。
添加物で過敏な反応が出ることはある?

一部の添加物で、ごく一部の人に症状が出ることは報告されています。一方で、「添加物のせいかも」と感じていても、偽薬を使った二重盲検の負荷試験で確認されることは少ないのが現状です。研究で報告されている主な内容をまとめます。
| 添加物 | 研究で報告されていること |
|---|---|
| 亜硫酸塩(ワイン、シードル、ドライフルーツなどに使われることがある) | 喘息のある人の3〜10%が、摂取時に症状が出るとの報告がある。特にステロイド治療が必要な重い喘息の人に多いとされる |
| 安息香酸ナトリウム(保存料) | 慢性じんましんとの関連を調べた質の高い研究は少なく、結果も一致していない |
| タートラジン(食用黄色4号)、グルタミン酸ナトリウム、アスパルテームなど11種 | 慢性じんましんの患者100人で調べた研究では、二重盲検の試験で反応が確認された人はおらず、頻度は1%未満と推定された |
この慢性じんましんの研究では、添加物は慢性じんましんのまれな原因とみられ、除去は勧められないと結論づけています。「添加物を避ければアレルギーを防げる」とは言えない、というのが現時点での研究の姿です。
気になるとき、日常でできることは?
原材料表示を確認しましょう

容器包装された加工食品では、次の特定原材料9品目の表示が義務付けられています。
- えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生、カシューナッツ
カシューナッツは2026年4月に追加されたばかりで、経過措置期間中は従来の表示の商品もあります。このほか、アーモンドやマカダミアナッツなど「特定原材料に準ずるもの」20品目は表示が推奨されています。
使われている添加物は、一括表示枠の原材料名のあとに「/」で区切るなどして表示されています。特定の添加物で症状が出ると医師に言われている方は、ここを確認しましょう。
「無添加」の文字だけで判断しないようにしましょう

消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(2022年)では、何が使われていないのかが分からない単なる「無添加」表示や、無添加を健康・安全と結びつける表示は、誤解を招くおそれがあるとされています。添加物は国が安全性を評価したうえで使用を認めているためです。
パッケージの目立つ言葉よりも、一括表示枠の中身を見て「何が使われているか」を確かめるのが確実です。
手作りの食事で「中身が分かる」安心を

家庭で料理をすると、使う食材や調味料を自分で選べるので、何を食べているかを把握しやすくなります。アレルギーのあるご家族がいる場合も、原因食物を避けた献立を組み立てやすいのがよいところです。
症状があるときは医師に相談しましょう

食べ物で症状が出たときは、自己判断で多くの食品を避けるより、まずはアレルギーを診療している医師に相談しましょう。原因の特定には、問診や血液検査、医師の観察のもとで少しずつ食べて確かめる「食物経口負荷試験」などが行われます。食品は治療の代わりにはなりません。
2960グラノーラのアレルギー表示について
2960グラノーラ(禄・福)には、特定原材料のくるみ・カシューナッツ、特定原材料に準ずるもののアーモンド・マカダミアナッツが含まれています。また、酸化防止剤としてローズマリー抽出物とビタミンEを使用しています。ナッツ類にアレルギーのある方は召し上がらないでください。
まとめ

- 食物アレルギーの原因の大部分は、食品に含まれるたんぱく質
- 添加物で過敏な反応が出る人もいるが、試験で確認されるのはまれ。亜硫酸塩は喘息のある人で注意が必要とされる
- 添加物は国の安全性評価を経て使用が認められている
- 「無添加」の言葉よりも、一括表示枠の原材料・添加物表示を確認する
- 症状が気になるときは、自己判断せず医師に相談する
正しい知識をもって表示を見られるようになると、毎日の食品選びはぐっと気楽になります。あなたとご家族が安心して食事を楽しめますように。
参考
- 食品安全委員会「アレルゲンを含む食品」解説資料(令和8年3月):https://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfo_map/allergen.data/Allergy_kaisetsushiryo.pdf
- 消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
- 厚生労働省「食品添加物」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
- 消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(令和4年3月30日):https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220330_25.pdf
- 消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」リーフレット:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/food_additive/assets/food_labeling_cms204_221122_01.pdf
- Skypala IJ, et al. Sensitivity to food additives, vaso-active amines and salicylates: a review of the evidence. Clin Transl Allergy. 2015;5:34.:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4604636/
- Rajan JP, Simon RA, Bosso JV. Prevalence of sensitivity to food and drug additives in patients with chronic idiopathic urticaria. J Allergy Clin Immunol Pract. 2014;2(2):168-171.:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24607044/





