食品添加物と運動機能の成長の関係性について、管理栄養士が解説します。

食品添加物と運動機能の成長の関係性について、管理栄養士が解説します。

日本で使われている食品添加物は、国が安全性を評価し、使ってよい食品や量を決めたうえで認められています。使用基準の範囲内の食品添加物が子どもの運動機能の成長を妨げると示した研究は、この記事を書くにあたって確認できませんでした。運動機能の成長を支えるうえで大切なのは、特定の成分を避けることよりも、毎日の食事のバランスと十分な量、そして体を動かす経験です。

食品添加物とは?どう安全性が確かめられている?

食品添加物は、保存料、着色料、甘味料、香料など、食品の製造や加工、保存のために使われるものです。

厚生労働省によると、食品添加物は食品安全委員会による安全性の評価を受け、人の健康を損なうおそれがない場合に限って、成分の規格や使用の基準を定めたうえで使用が認められています。

ADI(一日摂取許容量)という考え方

評価では、動物を使った毒性試験などの科学的なデータをもとに、「人が毎日一生涯食べ続けても健康への悪影響がないと推定される量」としてADIが設定されます。厚生労働省は、実際の摂取量がADIを大きく下回っていると説明しています。

確認の段階内容
安全性の評価食品安全委員会が科学的データをもとに評価
基準の設定成分の規格や、使える食品・量(使用基準)を設定
摂取量の確認実際の摂取量がADIの範囲内かを調査

添加物と子どもの行動について、研究では何がわかっている?

よく話題になるのが、2007年に英国の医学誌『The Lancet』に掲載された研究です。3歳と8〜9歳の子どもを対象に、合成着色料と保存料(安息香酸ナトリウム)を混ぜた飲み物と、それらを含まない飲み物を比べ、多動に関する行動の評価に小さな差が見られたと報告しています。

ただし、この研究が調べたのは「多動に関する行動」で、運動機能の発達ではありません。また、特定の添加物を混ぜた飲み物を試験として飲んだ結果であり、日常の食事全体の影響を示したものではありません。一つの研究結果だけで「添加物が運動能力を下げる」と考えるのは、行き過ぎた解釈といえます。

「果糖ぶどう糖液糖」は人工甘味料?

果糖ぶどう糖液糖は、でんぷんなどから作られる甘い液状の糖で、人工甘味料ではありません。気をつけたいのは「添加物かどうか」よりも、ジュースやお菓子から摂る糖分の量です。

子どもが疲れやすい・集中しにくいときは?

疲れやすさや集中しにくさには、睡眠、食事の量、生活リズム、体調など、さまざまな要因が関わります。食べ物の工夫だけで解決しようとせず、気になる様子が続くときは、かかりつけの小児科医に相談してください。

運動機能の成長を支える食事で大切なことは?

バランス感覚や体の使い方は、遊びや運動の経験を通して育っていきます。食事は、その活動に必要なエネルギーと栄養を届ける土台です。

主食・主菜・副菜をそろえる

農林水産省と厚生労働省がまとめた「食事バランスガイド」は、何をどれだけ食べればよいかの目安をイラストで示しています。ごはんやパンなどの主食、肉・魚・卵・大豆製品の主菜、野菜やきのこ、海藻の副菜を基本に、牛乳・乳製品や果物も取り入れると、栄養がそろいやすくなります。

年齢と活動量に合った量を食べる

成長期の子どもは、体をつくる分のエネルギーや栄養も必要です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、年齢や身体活動のレベルごとに必要な量の目安が示されています。スポーツをする日は、食事やおやつで量が不足しないように気を配りましょう。

「無添加」の表示だけで選ばない

消費者庁の「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(2022年)は、何が添加されていないのかがわからない単なる「無添加」の表示や、「無添加だから健康・安全」と結び付ける表示に注意を促しています。食品を選ぶときは、パッケージの一括表示欄で原材料を確認する習慣をつけると安心です。

まとめ

  • 食品添加物は、国が安全性を評価し、使用基準を定めたうえで使用が認められています。
  • よく話題になる研究は「多動に関する行動」を調べたもので、運動機能の発達を調べたものではありません。
  • 運動機能の成長を支えるのは、主食・主菜・副菜をそろえた食事、年齢と活動量に合った量、そして日々の遊びや運動です。
  • 疲れやすさや集中しにくさが続くときは、食事で解決しようとせず、小児科医に相談しましょう。

参考

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