添加物と生理痛の関係性を徹底解説!知っておきたい研究の現状と食事の考え方

「添加物をとると生理痛がひどくなる」という話を見かけることがありますが、日本で使用が認められている食品添加物が生理痛を悪化させるという確かな科学的根拠は、現時点では示されていません。
食品添加物は国の安全性評価を経て、使ってよい量や食品が決められています。生理痛は食事だけで治すものではないため、つらい痛みが続くときは我慢せず婦人科に相談しましょう。
この記事では、生理痛の基本、添加物の安全性の仕組み、「無添加」表示の見方、生理中の食事で意識したいことを順に整理します。
生理痛(月経痛)はなぜ起こるの?

厚生労働省の資料では、生理(月経)の期間中に起こる、日常生活に支障をきたすほど強い症状を「月経困難症」と呼び、治療の対象となる病態としています。
月経困難症は、大きく2つに分けられます。
| 種類 | 主な原因 |
|---|---|
| 機能性月経困難症 | 子宮の過収縮が主な原因 |
| 器質性月経困難症 | 子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などの病気 |
器質性のものは検査をしなければ見つからないため、「体質だから」と自己判断しないことが大切だとされています。
添加物が生理痛を悪化させるって本当?

「着色料や保存料がホルモンバランスを乱し、生理痛を悪化させる」といった説明は、公的機関の資料などで確認できる根拠にもとづくものではありません。
また、食品そのものについても、生理痛への効果ははっきりしていません。コクランの系統的レビュー(2016年)は、生理痛に対する栄養補助食品(サプリメント)を調べた臨床試験をまとめていますが、効果を裏づける質の高いエビデンスはなかったと結論づけています。
特定の食品や成分を「とる・避ける」だけで生理痛が良くなるとは言えない、というのが現在の研究の状況です。
食品添加物の安全性はどう確認されている?

厚生労働省によると、日本の食品添加物は次のような仕組みで管理されています。
- 使用できる添加物は、原則として厚生労働大臣が指定したものに限られる
- 安全性は、リスク評価機関である食品安全委員会が科学的データにもとづいて評価する
- 添加物ごとに、健康への悪影響がないとされる一日摂取許容量(ADI)を設定する
- それをもとに、食品ごとの使用量などの基準が定められる
不安を感じたら、SNSや広告だけで判断せず、こうした公的機関の情報を確認するのがおすすめです。
「無添加」表示はどう読めばいい?
消費者庁は「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を定めています。何を使っていないのかが分からない単なる「無添加」表示や、「無添加だから安全・健康」と受け取れる表示は、消費者の誤解を招くおそれがあるとされています。
「無添加」の文字だけで選ぶのではなく、原材料名の欄を見て、何が使われているかを確かめる習慣をつけると安心です。
生理中の食事で意識したいことは?

生理痛を食事で治すことはできませんが、毎日の食事を整えることは体調管理の土台になります。
- 主食・主菜・副菜をそろえる:特定の食品を避けるより、全体のバランスを意識する
- 食事を抜かない:体調がすぐれない日も、温かいスープなど食べやすいものを少しずつ
- 鉄を意識する:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、月経のある女性の鉄の推奨量は月経のない女性より高く設定されています(18〜29歳で1日10.0mg、30〜49歳で10.5mg)
鉄は、肉類、魚介類、藻類、野菜類、豆類などに含まれています。

サプリメントや特定の食品で痛みをおさえようとするより、無理なく続けられる食事を心がけましょう。
どんなときに婦人科を受診すべき?
厚生労働省の資料では、専門医を受診する目安として次の場合を挙げています。
- 鎮痛剤が効かない
- 年々痛みがひどくなる
- 日常生活に影響が出ている
学校や仕事に行けない、寝込んでしまうといった痛みは、我慢するものではありません。早めに婦人科で相談してください。
まとめ

- 日本で認められている食品添加物が生理痛を悪化させるという確かな根拠は、現時点では示されていません
- 食品添加物は、食品安全委員会の評価とADIにもとづいて使用基準が定められています
- 「無添加」表示は、何を使っていないかを原材料名とあわせて確認しましょう
- 食事はバランスを意識した体調管理の土台であり、治療の代わりにはなりません
- 鎮痛剤が効かない、痛みが年々強くなる、日常生活に支障があるときは婦人科へ
食べものの情報に振り回されず、つらいときは専門家の力を借りながら、自分の体と上手につきあっていきましょう。
参考
- 厚生労働省「女性特有の健康課題に関する問診に係る健診機関実施マニュアル~健診機関向け~」 https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001634471.pdf
- 厚生労働省「食品添加物 よくある質問(消費者向け)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/qa_shohisya.html
- 消費者庁「食品添加物表示に関する情報」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/food_additive/
- 消費者庁 食品表示企画課「表示を作成する際に注意すべき10類型」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/food_additive/assets/food_labeling_cms204_220701_03.pdf
- Pattanittum P, et al. Dietary supplements for dysmenorrhoea. Cochrane Database of Systematic Reviews 2016, Issue 3, CD002124. https://www.cochrane.org/evidence/CD002124
- 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量」(日本人の食事摂取基準(2025年版)にもとづく) https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-tetsu.html





